チャオ通信

  • 熱中症 その3

    犬のはなし 2019年06月04日

     

     

     

    前回に続いて熱中症についてのおはなしです。

     

     

     

     

     

    【 もし熱中症になってしまったら? 】

     

     

     

    まずは応急処置として、ワンちゃんの体を冷やしましょう。

     

     

    風呂場のシャワーで冷水を全身にかけてあげるのが効果的です。

     

     

    シャワーがなければ、水で濡らしたタオルを体に覆ったり、

     

     

    保冷剤を包んだタオルを腋や股の間に当てて冷やします。

     

     

     

     

     

    ここまでが自宅などでもできる応急処置ですが、

     

     

    処置のあとは早めに動物病院を受診しましょう。

     

     

    事前に連絡を入れておくと病院側も救急処置の準備ができ、

     

     

    ワンちゃん到着後の対応がスムーズにいくと思います。

     

     

    移動中も、上記の濡れタオルや保冷剤をあてがっておくと効果的です。

     

     

     

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    (暑いとボーッとしますね…🐐)

     

     

     

     

    病院到着後は、上記のような冷却処置と並行して、

     

     

    症状に合わせた治療(静脈点滴やショックに対する治療等)が行われます。

     

     

    同時に全身状態を調べるために必要に合わせた検査が行われます。

     

     

    症状が重度の場合、入院治療が必要になることも少なくありません。

     

     

     

     

     

    次回は、熱中症の予防方法についてご紹介いたします。

     

     

     

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  • 熱中症 その2

    犬のはなし 2019年05月31日

     

     

    前回に続いてワンちゃんの「熱中症」のおはなしです。

     

     

     

     

     

    【 熱中症になりやすいワンちゃんは? 】

     

     

     

    フレンチブルドッグやパグなどの短頭種(鼻ペチャの犬種)や、

     

     

    肥満のワンちゃんたちは特に注意が必要といわれています。

     

     

    気道が狭いため、体温が上がった際に呼吸状態が悪化するリスクが、

     

     

    他のワンちゃんと比べて高いためと考えられています。

     

     

     

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    (水の中は気持ちよさそうですね🐸)

     

     

     

     

     

     

    【 犬の熱中症の症状って? 】

     

     

     

    人の熱中症と同様、さまざまな症状が見られます。

     

     

    体温の急激な上昇に伴い、呼吸が荒くなり(パンティング)、

     

     

    大量のよだれが出て、ひどくなると呼吸困難やチアノーゼに陥ります。

     

     

    同時に、足元はふらつき、立っていられないような状態になります。

     

     

    また、嘔吐や下痢、不整脈が見られることもあります。

     

     

    重症になると、けいれん発作や意識障害などが起こり、

     

     

    やがて多臓器不全へと移行して死に至るケースがあります。

     

     

    これらの症状は急速に進行する可能性があるため、

     

     

    万一、熱中症になった場合には迅速な治療が必要となります。

     

     

    次回は、熱中症の治療についてご紹介いたします。

     

     

     

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  • 熱中症にご注意ください

    犬のはなし 2019年05月27日

     

     

    先週からの季節外れの暑さのせいか、

     

     

    体調を崩して来られるワンちゃんが増えています。

     

     

    とくに暑さに弱いワンちゃんにとって、

     

     

    熱中症は時に危険な状況となることがあります。

     

     

     

     

     

    【 犬は熱中症になりやすい? 】

     

     

    ワンちゃんは元来、暑さに弱い動物と言われています。

     

     

    全身が体毛に被われていて熱の放散がしづらいのと、

     

     

    人と違って汗をかいて体温調節することできません。

     

     

    犬が運動時などに口を開けてハァハァと息をするのは、

     

     

    パンティングと呼ばれる呼吸で、これにより熱を放散しています。

     

     

     

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    (水浴びは気持ちいいよね⛱)

     

     

     

     

     

    【 熱中症になりやすい環境は? 】

     

     

    ■ 空調の効いていない閉め切った空間や、車内での留守番

     

     

    ■ 高温多湿、炎天下での散歩や運動

     

     

    ■ 水分を自由に摂取できない環境

     

     

     

     

     

    今の時期、朝や夜はまだ涼しいため、つい油断して、

     

     

    日中エアコンをつけずに外出してしまうと、

     

     

    室内は温度が上がっていきますので注意が必要です。

     

     

    レジャーに連れて行く場合などの、車中での留守番もかなり危険です。

     

     

    車内は短時間でも急激に温度があがってしまいます。

     

     

    道中もこまめに水を飲ませてあげてください。

     

     

    日中のお散歩が非常に危険なのは言うまでもなく、

     

     

    夕方などでもまだ路面温度が高い場合には控えてあげてください。

     

     

    次回は、熱中症の症状についてお話したいと思います。

     

     

     

     

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  • 義眼手術

    犬のはなし 2019年05月18日

     

     

     

    義眼床手術はワンちゃんの緑内障治療のひとつです。

     

     

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    写真のワンちゃんは、両目とも白内障がかなり進行した状態で、

     

     

    左目は白内障が原因でおこる眼内の強い炎症により、

     

     

    緑内障を起こしていてすでに視覚はありませんでした。

     

     

    眼圧も非常に高く、痛みにより元気がない状態が続いていました。

     

     

    目薬や飲み薬による治療での眼圧の上昇を抑えることが難しく、

     

     

    さらには視力の回復が見込まれない場合、

     

     

    義眼床手術が治療の選択肢として検討されます。

     

     

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    手術後の写真です。

     

     

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    高眼圧による痛みや目薬のストレスから解放され、

     

     

    見た目の変化も少ないのがこの手術の利点です。

     

     

     

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  • 唇にできもの?

    犬のはなし 2019年05月05日

     

     

    唇にできものがあるということで12歳のワンちゃんが来られました。

     

     

    下唇の一部に1cm程のできものがありました。

     

     

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    検査の結果、悪性腫瘍(ガン)と診断が出ました。

     

     

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    歯周炎がひどく、抜歯とスケーリング(歯石をとる処置)も同時に行いました。

     

     

    幸い手術で腫瘍は取りきれていましたが、注意して見ていく必要があります。

     

     

    2年以上経ちますが再発はなく元気に過ごしてくれています。

     

     

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  • 歯茎にできもの?

    犬のはなし 2019年05月02日

     

     

    大型犬のワンちゃんが「口の中にできものがある」とのことで来院されました。

     

     

    口の中を見せてもらうと…

     

     

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    上アゴの切歯(前歯)の隙間に7~8mmほどのシコリが確認できました。

     

     

    よく気づかれたなぁと感心するばかりです。

     

     

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    検査の結果、良性のできもの(歯肉腫)とわかりました。

     

     

    歯肉(歯茎)にできる腫瘍は急速に大きくなることがあり、

     

     

    見つけた場合には小さくても注意が必要です。

     

     

    歯磨きの時などにお口の中の観察をしてあげると良いかもしれません。

     

     

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  • GWは熱中症に注意

    犬のはなし 2019年04月30日

     

     

    ワンちゃんの熱中症はひと昔前に比べると劇的に減りました。

     

     

    ご家族のみなさんのご注意の賜物と思いますが、

     

     

    それでも毎年数頭の熱中症のワンちゃんに遭遇します。

     

     

    とくに気をつけたいのが行楽シーズンの“いま頃”です。

     

     

    ワンちゃんと一緒に旅行やレジャーという方も多いと思いますが、

     

     

    車での移動ではとくに注意してあげる必要があります。

     

     

    というのも、真夏はみなさん十分気をつけられるので、

     

     

    トラブルもほとんどおこらないのですが、

     

     

    いまの時期は「短時間なら大丈夫だろう」という油断があり、

     

     

    ワンちゃんを車内で留守番させたまま休憩等に行かれるケースが多く、

     

     

    わずか数分の間に車内の温度、湿度が上がり熱中症になってしまうようです。

     

     

    今の時期でも、よく晴れた日中は車内は相当暑くなります。

     

     

    院長が過去に勤めていた病院のすぐ隣には大規模な観光施設があり、

     

     

    連休や土日には遠方からもたくさんの方が来られていましたが、

     

     

    「昼食から戻ったらワンちゃんがぐったりして動かない!」と、

     

     

    救急で運ばれてくるケースが非常に多かったです。

     

     

    どうしてもワンちゃんを車内で留守番させる際には、

     

     

    エアコンをつけたままにするなどしてあげてください。

     

     

    人もワンちゃんもこまめな水分補給と休憩で、

     

     

    安心安全な行楽シーズンをお過ごしください。

     

     

    ワンちゃんの熱中症の症状や、対策、予防などは順次ご紹介します。

     

     

     

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  • 肛門周囲腺腫

    犬のはなし 2019年04月23日

     

     

    肛門周囲腺腫(こうもんしゅういせんしゅ)は、

     

     

    ワンちゃんの肛門の周りやその周辺の皮膚にできる腫瘍です。

     

     

    雄のワンちゃんの中では比較的多い腫瘍です。

     

     

    今回は、2-3ヶ月前からお尻にできものができて、

     

     

    そこから出血して気にしているというワンちゃんです。

     

     

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    黄色枠が腫瘍。表面がじゅくついて化膿していました。

     

     

    高齢のため手術できないと言われて当院へ来られました。

     

     

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    この腫瘍は去勢をしていない中高齢のワンちゃんに多く見られます。

     

     

    ご家族と相談のうえ手術をすることになりました。

     

     

    手術後の再発のリスクを減らす目的で、

     

     

    腫瘍の切除手術と同時に、去勢手術も行うことが一般的です。

     

     

    下腹部にも腫瘍(黄色丸印)ができていましたが、これは別の良性腫瘍でした。

     

     

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    傷も順調に治り元気に帰ってくれました。

     

     

    この腫瘍自体は良性の腫瘍ですが、

     

     

    腫瘍が大きくなると排便障害を起こしたり、

     

     

    手術後に後遺症が残ってしまったりと侮れません。

     

     

    小さなしこりでも気づいた時は早めの受診が大切です。

     

     

    また、若いうちに去勢手術をしておくことで、

     

     

    将来の発生リスクを下げられる腫瘍でもあります。

     

     

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  • 中手骨骨折

    犬のはなし 2019年04月19日

     

     

    犬の中手骨(ちゅうしゅこつ)は前足の手の甲の部分の骨です。

     

     

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    矢印あたりの骨になります。

     

     

    今回のワンちゃんは、自宅の階段から飛び降りた後、

     

     

    前足を全く着けなくなったとのことで、

     

     

    休診日に救急外来 で来られました。

     

     

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    レントゲン検査で、中手骨のうち2本を骨折していることがわかりました。

     

     

    骨のズレが小さいため、外固定(ギプス)での治療となりました。

     

     

    幸い他の場所に怪我はありませんでした。

     

     

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    年齢も若いため1ヶ月後には骨も治り元気に走ってくれました。

     

     

    骨折の治療も手術だけでなく、状況に合わせた選択が必要です。

     

     

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  • 義眼挿入術

    犬のはなし 2019年04月13日

     

     

    義眼(ぎがん)挿入術はワンちゃんの緑内障治療のひとつです。

     

     

    数週間前から左目が赤く、開けづらそうというワンちゃんが来院されました。

     

     

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    両目とも白内障がかなり進行した状態で、

     

     

    左目は白内障が原因でおこる眼内の強い炎症により、

     

     

    緑内障を起こしていてすでに視覚はありませんでした。

     

     

    眼圧も非常に高く、痛みにより元気がない状態が続いていました。

     

     

    目薬や飲み薬による治療での眼圧の上昇を抑えることが難しく、

     

     

    ご家族と相談のうえ、義眼を入れる手術を行うことになりました。

     

     

     

    12.03.18Lのコピー

     

     

     

    手術後の写真です。

     

     

     

     

    12.03.18のコピー

     

     

    高眼圧による痛みや目薬のストレスから解放され、

     

     

    見た目の変化も少ないのがこの手術の利点です。

     

     

     

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