会陰(えいん)ヘルニア
犬のはなし 2019年09月18日
肛門のまわり(会陰部)の筋肉が異常に薄くなり、
筋肉の隙間から、お腹の中の臓器や脂肪が飛び出る病気です。
腸が飛び出た場合には、しぶり(排便困難)などの症状、
膀胱や尿道の場合、尿が出せない(排尿困難)などの症状が見られます。
(レントゲン写真)
レントゲン写真の、黄色矢印が飛びでた膀胱で、
赤丸が本来の膀胱の位置ですので、これでは尿が出せません。
治療は多くの場合、外科手術が必要となります。
簡単に言うと、飛びでた臓器を元の位置に戻し、
筋肉の隙間を埋めるような手術となります。
(手術前/肛門の右側が膨れている)
写真のワンちゃんは他の病院で以前にも手術を受けたとのことでした。
この病気は再発しやすいと言われています。
(手術中/矢印が飛び出た膀胱)
(手術後1ヶ月/尿も正常に出ていて元気)
会陰ヘルニアは去勢していない中高齢の雄犬で多く、
男性ホルモンが影響していると考えられています。
そのため、手術と同時に去勢を行うことが一般的です。
また、若いうちに去勢することで予防につながります。
**********************************************