巨大食道症
犬のはなし 2019年01月07日
巨大食道(きょだいしょくどう)症は、食道が何らかの原因で拡張する病気で、
食べたものを胃に送り込めなくなり、吐くといった症状を引き起こします。
先天性の場合と後天性の場合がありますが、
後天性の場合には、神経や筋肉の病気(重症筋無力症など)、
食道の閉塞性疾患(ガンや異物など)などから続発することが多いようです。
食べたものをすぐに吐いてしまう「吐出(としゅつ)」が起こりますので、
徐々に痩せてきたり、誤嚥すると気管支炎や肺炎を起こすこともあり、
酷いケースでは進行性に悪化し、死に至ることもあります。
診断は上の写真のように造影剤を飲ませてからレントゲン検査を行います。
造影剤のたまっている部分が拡張した異常な食道です。
今回のワンちゃん(ダックス)は重症筋無力症に続発した巨大食道症でした。
原因となる疾患があればその治療を行いますが、
「吐出」を防ぐために、ワンちゃんを立たせた姿勢で食事を与え、
食後もしばらくは立たせたままにする必要があります。
また、肺炎などがあれば抗生剤などのお薬も必要になります。
発症のメカニズムが不明なことが多く、治療が難しい病気です。
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