チャオ通信

  • 潜在精巣(せんざいせいそう)

    犬のはなし 2018年03月07日

     

     

    通常、犬の精巣は生後1ヶ月頃までに陰嚢(いんのう)に降りてきます。

     

     

    片側もしくは両側の精巣が正常に陰嚢まで降りず、おなかの中や、

     

     

    内股(そけい部)にとどまってしまった状態のことをいいます。

     

     

    停留精巣(ていりゅうせいそう)、陰睾(いんこう)とも呼びます。

     

     

    潜在精巣では腫瘍の発生率が高いため、去勢手術をおすすめしています。

     

     

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    (腹腔内の潜在精巣)

     

     

    写真は大型犬のワンちゃんで、片側が正常、反対側が潜在精巣でした。

     

     

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    (写真(右)が潜在精巣)

     

     

    潜在精巣は遺伝するため繁殖に用いないことが重要です。

     

     

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  • 横隔膜(おうかくまく)ヘルニア

    猫のはなし 2018年02月22日

     

     

    おなかと胸を分けている「横隔膜」という薄い壁に、穴があいている病気です。

     

     

    本来おなかの中にあるべき臓器(肝臓や腸、胃など)がこの穴を通って、

     

     

    胸の中に入り込んでしまい、肺を圧迫して呼吸困難などの症状をおこします。

     

     

    生まれつき穴があいている「先天性」の場合と、

     

     

    交通事故などで穴があいてしまう「後天性」の場合があります。

     

     

    「先天性」の場合、ほとんど症状がないこともあります。

     

     

    レントゲンや超音波検査などで診断します。

     

     

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    (胸の中に腸や肝臓の一部が入り込んでいます)

     

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    (心臓は臓器に押され片側の肺が膨らめていません)

     

     

    一般的に、臓器をおなかの中に戻して穴をふさぐ手術が必要になります。

     

     

    写真のネコちゃんも手術後は元気に生活しています。

     

     

     

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  • マイクロチップ

    猫のはなし 2018年02月06日

     

     

    「飼い猫が家から逃げだして帰って来ない!」

     

     

    という相談が毎年かならず数件は寄せられます。

     

     

    ニャンコはすばしっこいですからね💦

     

     

    もし迷子になっても保護された時にどこの誰の猫かわかれば、

     

     

    スムーズにお家に帰ってくることができます。

     

     

    そこで役立つのが、マイクロチップです。

     

     

    マイクロチップは動物の個体識別を目的に作られたICチップです。

     

     

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    非常に小さく皮下(肩のあたり)に埋め込むことができます。

     

     

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    専用の読み取り機で体の外からチップを検知します。

     

     

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    チップに登録されたID番号から、飼い主さんの特定が容易にできます。

     

     

    当院では、去勢や避妊手術の時に一緒にマイクロチップの装着をされる方が多いです。

     

     

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    (登録が済むとハガキ↑が送られてきます)

     

     

    「動物愛護管理法」でも犬や猫にマイクロチップの装着を推進しています。

     

     

    “ 突然の迷子、災害のとき。動物は名前も住所も話せません ”

     

     

    マイクロチップの装着について、詳しくは当院スタッフまでお尋ねください。

     

     

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  • 脾臓(ひぞう)腫瘍

    犬のはなし 2018年01月31日

     

     

    脾臓は胃のうしろにあって、古い赤血球をこわしたり、抗体を作ったり、

     

     

    新しい血液を貯めるはたらきをする臓器です。

     

     

    今回は元気がなくお腹が腫れている、という大型犬のワンちゃんです。

     

     

    夜間に救急 で来られました。

     

     

    レントゲンや超音波検査で脾臓に大きな腫瘤が見つかりました。

     

     

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    (点線が脾臓の腫瘤)

     

     

    脾臓は多くの血液を貯めているので、腫瘍が仮に良性でも、

     

     

    破裂した場合、おなかの中で致命的な出血を起こす危険性があります。

     

     

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    (矢印が脾臓にできたソフトボールほどの大きさの腫瘍)

     

     

    写真のワンちゃんは腹腔内出血と貧血があり、輸血後に手術となりました。

     

     

    腫瘍は幸い良性で手術後は元気に退院しました。

     

     

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  • リンパ腫(りんぱしゅ)

    猫のはなし 2018年01月25日

     

     

    リンパ球(白血球の一部)という血液中の細胞が癌化する「血液のガン」です。

     

     

    中高齢のネコちゃんに多い病気ですが、

     

     

    猫白血病ウイルス(FeLV)に感染していると若くても発症します。

     

     

    リンパ腫は全身の様々な部位(腸、腎臓、鼻、胸の中など)に発生します。

     

     

    また、その発生した部位によって様々な症状がみられます。

     

     

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    (点線枠が腎臓にできたネコちゃんのリンパ腫)

     

     

    細胞診という病理検査などで診断をします。

     

     

    リンパ腫は抗がん剤で治療しますが、治療への反応や予後はさまざまです。

     

     

    ネコちゃんの状態や年齢、副作用などを考慮し、ご家族と相談しながらの治療が必要です。

     

     

     

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  • 心タンポナーデ

    犬のはなし 2018年01月23日

     

     

    心臓を覆っている心膜(しんまく)と心臓の隙間に、

     

     

    心嚢水(しんのうすい)と呼ばれる液体が異常に貯まることで、

     

     

    心臓が圧迫されて働きが障害されてしまう病気です。

     

     

    突然の心停止を引き起こす場合があり緊急的な処置が必要です。

     

     

    今回は、数日前から吐く、息苦しそうというワンちゃんです。

     

     

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    エコーを見ると心臓のまわりに大量の液体(矢印の黒い部分)が貯まっています。

     

     

    検査を行い原因を探しますが、原因不明(特発性)のこともあります。

     

     

    貯まった液体は、緊急的に針をさして抜く処置(心膜穿刺)が必要です。

     

     

    169--01_20171002_Pediatric-_Heart_0003(抜いたあとのエコー写真)

    IMG_1931(貯まっていた心嚢水)

     

     

    心嚢水は一度抜いてもまた貯まってしまうことがあり、

     

     

    慎重に経過をみていく必要があります。

     

     

    写真のワンちゃんは一度抜いたあとは元気に過ごしています。

     

     

     

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  • 腸閉塞(ちょうへいそく)

    猫のはなし 2018年01月05日

     

     

    胃や腸の内容物がなんらかの原因で、通過できなくなる状態です。

     

     

    食欲がない、吐く、腹痛などの症状がみられます。

     

     

    今回は、数日前から食欲がなく、何度も嘔吐するネコちゃんです。

     

     

    調べてみると異物が腸の中に詰まっています。

     

     

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    (点線が腸の中の異物)

     

     

    腸閉塞は、内科的(おくすり)に治療することもありますが、

     

     

    閉塞が解除できない場合には手術が必要となります。

     

     

    今回は、手術(腸切開)で異物を取り出しました。

     

     

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    異物の正体は使いかけの消しゴムでした。

     

     

    誤食は飼い主さんの気づかない間に起こることがあり、

     

     

    とくに若いネコちゃんでは注意したいですね。

     

     

    写真の猫ちゃんも手術後は食欲も戻り元気に退院しました。

     

     

     

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  • 子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)

    犬のはなし 2017年12月25日

     

     

    子宮内に細菌が感染し、膿(うみ)が溜まってしまう病気です。

     

     

    陰部から膿が出る、食欲がない、水をたくさん飲む等の症状で気づかれることが多いです。

     

     

    超音波(エコー)検査などで診断ができます。

     

     

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    (矢印:膿がたまって腫れた子宮)

     

     

    治療は、多くの場合、子宮と卵巣を摘出する手術が必要になります。

     

     

    治療が遅れると重症化し、腹膜炎や敗血症、貧血、腎不全などを起こす怖い病気です。

     

     

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    避妊手術を受けていない中高齢のワンちゃんは注意が必要です。

     

     

    写真のワンちゃんも手術後数日で元気に退院しました。

     

     

     

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  • ニャンコの薬の飲ませかた①

    猫のはなし 2017年12月22日

     

     

    こんにちは。

     

     

    急に冷えてきたせいか、嘔吐や下痢で来院されるネコちゃんが多い気がします。

     

     

    ヒトも動物も季節の変わり目には要注意ですね。

     

     

    今回はネコちゃんの薬の飲ませ方をご紹介します。

     

     

    動物病院でよく処方される「錠剤」。

     

     

    錠剤そのままでは、ほとんどのネコちゃんは飲みませんので厄介です (-。-;

     

     

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    ↑ これはやったらアカンやつです!

     

     

    お薬だけ残してくれ、と言わんばかりのあげ方…

     

     

    なので。どうするかというと ↓

     

     

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    おいしい缶詰(少量です!)に混ぜて、隠しましょう。

     

     

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    これでバレない………はず!

     

     

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    警戒していますが、おなかが減っているので食べてくれるはず 💦

     

     

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    食べました!!!

     

     

    コツは食事の前、一番おなかの減っているタイミングに、

     

     

    少量のウェットフード(ちゅーる等)に混ぜてあげることです♪

     

     

    食事と一緒でいいですよ、と言われた錠剤はこの方法が一番良いと思います。

     

     

    その他の薬の飲ませ方も別の機会にご紹介します!

     

     

     

     

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  • 誤食(ごしょく)

    犬のはなし 2017年12月01日

     

     

    ワンちゃんの誤食(食べてはいけないものを食べてしまう)は非常に多いです。

     

     

    今回は、子供さんの「おもちゃのボール」を飲み込んだワンちゃんです。

     

     

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    油断したスキにくわえていて、誤って飲み込んでしまったようです。

     

     

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    (点線が胃の中の異物)

     

     

    誤食の内容にもよりますが、吐かせることができる物なら吐かせる処置をします。

     

     

    それでも出ない場合には手術や内視鏡(胃カメラ)などが必要になります。

     

     

    誤食には十分注意したいですね。

     

     

    写真のワンちゃんも手術(胃切開)でボールを取り出し、数日後には元気に退院しました。

     

     

     

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