チャオ通信

  • ウイルス性結膜炎

    猫のはなし 2019年01月15日

     

     

    ネコちゃんの結膜炎は、主にヘルペスウイルスやカリシウイルスなどの、

     

     

    いわゆる猫風邪ウイルスが原因となって発症することがあります。

     

     

    飼い主さんが気づかれる症状としては、涙目、目の充血、目ヤニ、

     

     

    目が開けづらそう、といった症状が多いようです。

     

     

     

    DSC03298a

    (来院初日)

     

     

     

    今回のネコちゃんは、新しく飼い始めた子猫ちゃんが来たあとから、

     

     

    涙や目ヤニの症状が始まったとのことで、子猫ちゃんの猫風邪がうつったものと思われます。

     

     

    1ヶ月ほど治療を受けているが改善がない、ということで当院を受診されました。

     

     

     

    DSC03297

    (来院初日)

     

     

    来院時、結膜は赤く腫れ上がり、目ヤニが酷く、目はほとんど開けられない状態で、

     

     

    感染を起こした角膜(黒目の表面)は傷んで、穴が空きそうな状態(角膜潰瘍)でした。

     

     

    ↑ の写真で黄色く染まった場所が角膜潰瘍をおこした部分。

     

     

    治療は、症状によって様々ですが、目薬や内服薬などが必要になります。

     

     

     

    DSC03308

    (6日目)

     

     

     

    治療を始めて1週間ほどで角膜の傷が治りはじめて、

     

     

    少しずつ目も開けられるようになりました。

     

     

     

    DSC03400

    (30日目)

     

     

     

    1ヶ月ほどで角膜表面に傷の名残り(くすんだように見える部分)はあるものの、

     

     

    以前と変わらない綺麗な目に戻ることができました。

     

     

    猫風邪ウイルスは目の症状のほかにも、鼻水やくしゃみなどの鼻炎や、

     

     

    口内炎、発熱や食欲不振など、様々な症状を引き起こします。

     

     

    virus

     

     

    また、ウイルスは厄介なことに、一度ネコちゃんの体内に入ると、

     

     

    なかなか出て行かないため、体調や環境の変化、季節の変わり目などに、

     

     

    症状の再発を繰り返す、といったケースが多いようです。

     

     

    ウイルス自体の感染力が強く、猫同士であっという間に拡がるため、

     

     

    とくに多頭飼育のご家庭では、十分な注意が必要です。

     

     

    定期的なワクチン接種は、猫風邪の予防や、

     

     

    万一、感染した時の症状を軽くするためにも重要です。

     

     

     

    **********************************************************