ウイルス性結膜炎
猫のはなし 2019年01月15日
ネコちゃんの結膜炎は、主にヘルペスウイルスやカリシウイルスなどの、
いわゆる猫風邪ウイルスが原因となって発症することがあります。
飼い主さんが気づかれる症状としては、涙目、目の充血、目ヤニ、
目が開けづらそう、といった症状が多いようです。
(来院初日)
今回のネコちゃんは、新しく飼い始めた子猫ちゃんが来たあとから、
涙や目ヤニの症状が始まったとのことで、子猫ちゃんの猫風邪がうつったものと思われます。
1ヶ月ほど治療を受けているが改善がない、ということで当院を受診されました。
(来院初日)
来院時、結膜は赤く腫れ上がり、目ヤニが酷く、目はほとんど開けられない状態で、
感染を起こした角膜(黒目の表面)は傷んで、穴が空きそうな状態(角膜潰瘍)でした。
↑ の写真で黄色く染まった場所が角膜潰瘍をおこした部分。
治療は、症状によって様々ですが、目薬や内服薬などが必要になります。
(6日目)
治療を始めて1週間ほどで角膜の傷が治りはじめて、
少しずつ目も開けられるようになりました。
(30日目)
1ヶ月ほどで角膜表面に傷の名残り(くすんだように見える部分)はあるものの、
以前と変わらない綺麗な目に戻ることができました。
猫風邪ウイルスは目の症状のほかにも、鼻水やくしゃみなどの鼻炎や、
口内炎、発熱や食欲不振など、様々な症状を引き起こします。
また、ウイルスは厄介なことに、一度ネコちゃんの体内に入ると、
なかなか出て行かないため、体調や環境の変化、季節の変わり目などに、
症状の再発を繰り返す、といったケースが多いようです。
ウイルス自体の感染力が強く、猫同士であっという間に拡がるため、
とくに多頭飼育のご家庭では、十分な注意が必要です。
定期的なワクチン接種は、猫風邪の予防や、
万一、感染した時の症状を軽くするためにも重要です。
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