チャオ通信

  • 肛門周囲腺腫(こうもんしゅういせんしゅ)

    犬のはなし 2018年03月24日

     

     

    肛門の周りやシッポの付け根などにできる腫瘍です。

     

     

    腫瘍のできる場所が肛門に近いため、出血や化膿したり、

     

     

    大きくなると排便障害をおこすこともあります。

     

     

    今回は、便しづらそう、お尻を擦って出血するというワンちゃんです。

     

     

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    (肛門に被った腫瘍/黒い部分は出血痕)

     

     

    腫瘍が大きくなるほど、手術の際に肛門括約筋を痛めるリスクがあり、

     

     

    そのためにも早期に発見して治療することが重要です。

     

     

    多くの場合、手術によって腫瘍を摘出します。

     

     

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    治療後は排便もスムーズになり、お尻を気にすることもありません。

     

     

    腫瘍の発生に男性ホルモンが関与しているため、

     

     

    去勢していないワンちゃんでは去勢を同時に行うことが一般的です。

     

     

     

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  • 潜在精巣(せんざいせいそう)

    犬のはなし 2018年03月07日

     

     

    通常、犬の精巣は生後1ヶ月頃までに陰嚢(いんのう)に降りてきます。

     

     

    片側もしくは両側の精巣が正常に陰嚢まで降りず、おなかの中や、

     

     

    内股(そけい部)にとどまってしまった状態のことをいいます。

     

     

    停留精巣(ていりゅうせいそう)、陰睾(いんこう)とも呼びます。

     

     

    潜在精巣では腫瘍の発生率が高いため、去勢手術をおすすめしています。

     

     

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    (腹腔内の潜在精巣)

     

     

    写真は大型犬のワンちゃんで、片側が正常、反対側が潜在精巣でした。

     

     

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    (写真(右)が潜在精巣)

     

     

    潜在精巣は遺伝するため繁殖に用いないことが重要です。

     

     

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  • 脾臓(ひぞう)腫瘍

    犬のはなし 2018年01月31日

     

     

    脾臓は胃のうしろにあって、古い赤血球をこわしたり、抗体を作ったり、

     

     

    新しい血液を貯めるはたらきをする臓器です。

     

     

    今回は元気がなくお腹が腫れている、という大型犬のワンちゃんです。

     

     

    夜間に救急 で来られました。

     

     

    レントゲンや超音波検査で脾臓に大きな腫瘤が見つかりました。

     

     

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    (点線が脾臓の腫瘤)

     

     

    脾臓は多くの血液を貯めているので、腫瘍が仮に良性でも、

     

     

    破裂した場合、おなかの中で致命的な出血を起こす危険性があります。

     

     

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    (矢印が脾臓にできたソフトボールほどの大きさの腫瘍)

     

     

    写真のワンちゃんは腹腔内出血と貧血があり、輸血後に手術となりました。

     

     

    腫瘍は幸い良性で手術後は元気に退院しました。

     

     

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  • 心タンポナーデ

    犬のはなし 2018年01月23日

     

     

    心臓を覆っている心膜(しんまく)と心臓の隙間に、

     

     

    心嚢水(しんのうすい)と呼ばれる液体が異常に貯まることで、

     

     

    心臓が圧迫されて働きが障害されてしまう病気です。

     

     

    突然の心停止を引き起こす場合があり緊急的な処置が必要です。

     

     

    今回は、数日前から吐く、息苦しそうというワンちゃんです。

     

     

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    エコーを見ると心臓のまわりに大量の液体(矢印の黒い部分)が貯まっています。

     

     

    検査を行い原因を探しますが、原因不明(特発性)のこともあります。

     

     

    貯まった液体は、緊急的に針をさして抜く処置(心膜穿刺)が必要です。

     

     

    169--01_20171002_Pediatric-_Heart_0003(抜いたあとのエコー写真)

    IMG_1931(貯まっていた心嚢水)

     

     

    心嚢水は一度抜いてもまた貯まってしまうことがあり、

     

     

    慎重に経過をみていく必要があります。

     

     

    写真のワンちゃんは一度抜いたあとは元気に過ごしています。

     

     

     

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  • 子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)

    犬のはなし 2017年12月25日

     

     

    子宮内に細菌が感染し、膿(うみ)が溜まってしまう病気です。

     

     

    陰部から膿が出る、食欲がない、水をたくさん飲む等の症状で気づかれることが多いです。

     

     

    超音波(エコー)検査などで診断ができます。

     

     

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    (矢印:膿がたまって腫れた子宮)

     

     

    治療は、多くの場合、子宮と卵巣を摘出する手術が必要になります。

     

     

    治療が遅れると重症化し、腹膜炎や敗血症、貧血、腎不全などを起こす怖い病気です。

     

     

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    避妊手術を受けていない中高齢のワンちゃんは注意が必要です。

     

     

    写真のワンちゃんも手術後数日で元気に退院しました。

     

     

     

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  • 誤食(ごしょく)

    犬のはなし 2017年12月01日

     

     

    ワンちゃんの誤食(食べてはいけないものを食べてしまう)は非常に多いです。

     

     

    今回は、子供さんの「おもちゃのボール」を飲み込んだワンちゃんです。

     

     

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    油断したスキにくわえていて、誤って飲み込んでしまったようです。

     

     

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    (点線が胃の中の異物)

     

     

    誤食の内容にもよりますが、吐かせることができる物なら吐かせる処置をします。

     

     

    それでも出ない場合には手術や内視鏡(胃カメラ)などが必要になります。

     

     

    誤食には十分注意したいですね。

     

     

    写真のワンちゃんも手術(胃切開)でボールを取り出し、数日後には元気に退院しました。

     

     

     

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  • 秋なのにノミ、マダニ??

    犬のはなし 2017年11月20日

     

     

    今回はノミ、マダニのおはなしです。

     

     

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    ワンちゃんはよくお散歩に出かけられると思いますが、

     

     

    ノミやマダニの予防はどうされていますでしょうか?

     

     

    街中ではノミやマダニに感染する機会が少ない気がしますが、

     

     

    意外にもノミは街路樹にもいますし、マダニは公園の茂みなどにもいるようです。

     

     

    とくに今頃の時期は、寒くなってきて「もう大丈夫だろう」という油断から、

     

     

    予防を忘れがちになり、ノミやマダニをつけて来られるワンちゃんが沢山います。

     

     

    中には、家族(人)がダニに噛まれて、

     

     

    初めてワンコにダニがついているのに気づいた! というケースも…

     

     

    マダニから人にうつる病気もありますし、何といっても見た目が気持ち悪い…。

     

     

    公園や茂み、河川敷などを散歩するワンちゃんは気をつけた方が良いかもしれません。

     

     

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    うちのワンコも河川敷と緑地公園が大好きなので気をつけています。

     

     

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